違和感を覚える日本赤十字社の広告
2011年5月1日付日本経済新聞には、大々的に一面を使って日本赤十字社の広告が載っている。
美男美女のモデル達が一瞬、F1のコクピットか、というような形でポーズでスタイルを決めているが、どうやら救援隊のイメージらしい。
なんとも違和感を覚える広告だ。
センスもさることながら、全国紙の一面全面広告というのはいくらするのだろう? 過去には4千万円と聞いたことがある。それが下がったかもしれないが、高額なことに代わりはないだろう。
一体、この広告の意味はなんなんだろうか?
そして、疑問が沸いてくるのは、この広告に我々の寄付が使われてないか、ということである。
この点は、この広告に『東日本震災義援金は「義援金配分委員会」を通して全額が被災された方々に届けられます』と書いてある。
日本赤十字社も、そう誤解されることを危惧したのだろう。
寄付が、広告に使われたとしたら私達もいたたまれない。
だが、それでも疑問はぬぐいきれない。
これは経費であり通常の運営費から出ているとしたらその目的はなんなんだろう。
広告を出せば、義援金が増えるという意味なのだろうか?
それとも日本赤十字社の存在意義を知らしめるためなのだろうか?
「日本赤十字社」という組織は、そもそもこのような全面広告を打つ必要のある機関なのだろうか?
私は、今回、震災の寄付を日本赤十字社に直接振り込んだ。
いろいろと集めている団体はあるが、最終的には日本赤十字社に行くようだから、余計な手間や経費がかからなく、かつ全額が被災者に届くようにと振り込んだのだ。日本赤十字社に期待するのは、迅速・公平な義援金の分配であり、信用力であり安心感だ。
だが、その先が首を傾げるような広告を全国紙に出しているとすると、今後は寄付の先を考えることだろう。
寄付が、全額被災地に行くのは当然だとしても、その組織のあり方や予算の使い方などに疑問が生じるのはしごく尤もだと思うが違うだろうか?